○久留米広域消防本部警防規程

平成21年4月1日

消防本部訓令甲第18号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 消防活動体制(第4条―第10条)

第3章 活動の基本原則(第11条―第15条)

第4章 指揮体制(第16条―第20条)

第5章 災害現場活動(第21条―第26条)

第6章 特別警戒(第27条―第30条)

第7章 消防通信(第31条)

第8章 消防調査(第32条・第33条)

第9章 警防訓練(第34条―第37条)

第10章 安全管理(第38条・第39条)

第11章 警防計画(第40条)

第12章 応援要請等(第41条・第42条)

第13章 報告(第43条―第45条)

第14章 雑則(第46条―第49条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、別に定めるもののほか、火災その他の災害(以下「災害」という。)に際して警防体制の万全を図り、災害活動に迅速かつ的確に対処し、災害による被害を軽減するため、警防に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 警防活動 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に実施する災害の防除、警戒及び鎮圧等、被害の拡大を最小限にとどめるために消防が行う活動をいう。

(2) 警防計画 災害による被害を最小限にとどめるため必要な事前の対策をいう。

(3) 現場指揮本部 災害現場における最上級指揮者(以下「指揮隊長」という。)が災害現場を統括するための拠点をいう。

(4) 特別警戒 地震又は異常気象等により特に必要とされる場合に行う警防活動をいう。

(5) 非常配備体制 風水害又は大規模災害時等に際し、通常警防体制では警防の万全を期し難いときに行う警防体制をいう。

(6) 関係機関 防災、警察、医療及び行政等、各種災害が発生した場合に、直接又は間接に警防活動と関係のある機関及び消防長が必要と認める機関をいう。

(警防責任)

第3条 消防長は、消防署長(以下「署長」という。)の行う警防活動の最高方針を決定し、警防活動を指揮統括する。

2 署長は、消防部隊の運用、指揮統制及び災害情報等を統括し、警防活動に当たる。

第2章 消防活動体制

(消防部隊等の編成)

第4条 消防部隊(以下「隊」という。)は、署隊、大隊、中隊及び小隊をもって編成し、署隊に署隊長、大隊に大隊長又は副大隊長、中隊に中隊長又は副中隊長、小隊に小隊長又は副小隊長を置く。

2 署隊長は署長、大隊長は消防課長、副大隊長は消防課主幹、中隊長は課長補佐、副中隊長は主査をもって充て、小隊長は消防司令補、副小隊長は消防士長のうちからそれぞれ署長が指名する。

3 隊は、おおむね次の基準により編成する。

(1) 署隊は、署隊長及び複数の大隊をもって編成する。

(2) 大隊は、大隊長及び複数の中隊をもって編成する。

(3) 中隊は、中隊長及び複数の小隊をもって編成する。

(4) 小隊は、小隊長及び隊員並びに消防車両1台をもって編成する。

(救急隊等の編成)

第5条 救急隊の編成は、久留米広域消防本部救急業務規程(平成21年久留米広域消防本部訓令甲第19号。以下「救急業務規程」という。)の定めるところによる。

2 救助隊の編成は、久留米広域消防本部救助業務規程(平成21年久留米広域消防本部訓令甲第20号。以下「救助業務規程」という。)の定めるところによる。

(隊の種別)

第6条 隊の種別は、別表に掲げるとおりとする。

(出動の原則)

第7条 隊の出動は、情報指令課(以下「指令課」という。)からの指令により行うことを原則とする。ただし、署所の付近において災害の発生を覚知したときは、出動と同時に指令課へ通報しなければならない。

(出動計画及び出動隊編成)

第8条 隊の災害出動計画及び出動隊編成については、別に定める。

(出動の種別)

第9条 出動の種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 火災出動 火災の防御に対する出動をいう。

(2) 救急出動 傷病者の救命及び搬送に対する出動をいう。

(3) 救助出動 人命の救助に対する出動をいう。

(4) 警戒出動 災害の確認及び調査に対する出動をいう。

(5) その他の出動 前各号に掲げる出動以外の災害に対する出動をいう。

(署所の所轄区域)

第10条 各署所の所轄区域は、別に定める。

第3章 活動の基本原則

(現場活動の原則)

第11条 災害現場における各隊は、相互に連携して人命の安全確保を最優先とし、危険要因の排除及び被害拡大の防止に努めるものとする。

(火災防御活動)

第12条 火災防御活動は、人員、装備、施設等を有効に活用し、火災による人的、物的被害を最小限度にとどめるため、迅速かつ的確に行わなければならない。

(救急活動)

第13条 救急活動は、傷病者の観察及び救命処置を行うとともに、医療機関への搬送を適切かつ迅速に行わなければならない。

2 前項に定めるほか、救急隊の活動について必要な事項は、救急業務規程の定めるところによる。

(救助活動)

第14条 救助活動は、他の災害活動に最優先して行い、要救助者の安全確保を主眼として、迅速かつ的確に行わなければならない。

2 前項に定めるほか、救助隊の活動について必要な事項は、救助業務規程の定めるところによる。

(その他警防活動)

第15条 その他警防活動は、消防の目的に適合するもの及びこれと密接な関連のあるものについてのみ行うことを原則とする。ただし、関係機関等から要請があり、消防長が必要と認めた場合は、この限りでない。

第4章 指揮体制

(現場指揮本部の設置)

第16条 隊が出動した災害現場においては、警防活動の指揮統制を図るため現場指揮本部を設置する。ただし、災害の状況によっては設置しないことができる。

(各級指揮者)

第17条 災害現場における指揮者は、次の者とする。

(1) 署隊の指揮者は、災害現場を管轄する署隊長又は大隊長を原則とする。

(2) 大隊の指揮者は、大隊長とする。ただし、大隊長が不在のときは、副大隊長又は中隊長が代行する。

(3) 中隊の指揮者は、中隊長とする。ただし、中隊長が不在のときは、副中隊長が代行する。

(4) 小隊の指揮者は、小隊長とする。ただし、小隊長が不在のときは、副小隊長が代行する。

(5) 消防長は、災害等の状況等により必要と認めるときは、全隊の指揮をとる。

(指揮宣言)

第18条 指揮隊長は、指揮権の所在を明らかにするため、指揮宣言を行わなければならない。

2 指揮権は、指揮宣言をもって移行する。

(指揮要領)

第19条 指揮要領は、別に定める。

(指揮隊長の責務)

第20条 指揮隊長の責務は、次に掲げるとおりとする。

(1) 現場指揮本部の統括

(2) 災害状況の把握

(3) 情報の収集

(4) 指令課へ現場情報報告

(5) 活動方針の決定

(6) 隊の増強又は削減の決定

(7) 隊員の安全確保

(8) 警戒区域の設定

(9) 関係機関との連絡調整

(10) 前各号に掲げるもののほか、必要と認める事項

第5章 災害現場活動

(現場情報)

第21条 災害現場に先着した隊の指揮者は、災害等の種別、状況及び人命救助の要否等の情報を速やかに指揮隊長又は指令課に報告しなければならない。

2 各級指揮者は、次に掲げる現場情報を常に共有しなければならない。

(1) 災害等の状況及び推移

(2) 災害等の防御の状況

(3) 死傷者の有無

(4) 火災の鎮圧及び鎮火

(5) 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

(現場広報)

第22条 災害現場における広報は、軽易な事項を除き、指揮隊長の指示により統一的に行わなければならない。

2 前項の広報にあっては、関係者の個人情報の保護に留意し、かつ、諸般の事項について誤解を与えることのないよう配慮するものとする。

(火災警戒区域及び消防警戒区域の設定等)

第23条 指揮隊長は、消防法(昭和23年法律第186号)第23条の2第1項に規定する火災警戒区域又は同法第28条第1項に規定する消防警戒区域(以下これらを「警戒区域」という。)の設定は、災害等の状況を的確に把握して行わなければならない。

2 指揮隊長は、防御上支障がないと認めたときは、警戒区域の設定解除及び交通規制の緩和に努めなければならない。

(再燃防止)

第24条 指揮隊長は、残火処理に当たっては、再燃防止を徹底するため、必要な隊を現場に待機させるほか、関係者に監視、警戒等の協力を求め、再燃防止等の適切な措置を講ずるものとする。

(現場保存)

第25条 各級指揮者は、火災原因調査のため、証拠保全及び現場保存に努めなければならない。

(併発災害の対応)

第26条 消防長は、災害防御中その管轄区域内に新たな災害が発生したときは、待機している残留消防隊のうち直近のものから出動させるものとする。この場合において、先に発生した災害の指揮隊長は、その災害の状況を判断し、消防隊の全部又は一部を、後に発生した災害に再出動させる等適切な処置をとらなければならない。

第6章 特別警戒

(特別警戒の実施区分)

第27条 特別警戒の実施は、次に掲げる区分によるものとする。

(1) 管轄区域の市町の災害対策本部若しくは風水害等警戒本部が設置されたとき、又はその見込みがあるとき。

(2) 大規模災害等で消防長が必要と認めたとき。

(3) 併発災害、災害の規模等により、指揮隊長が消防力の増強が必要であると認めたとき。

(特別警戒の実施事項)

第28条 特別警戒時においては、次に掲げる事項を必要に応じて実施するものとする。

(1) 災害等の予防広報活動

(2) 災害等危険区域の巡回及び重要建築物等の警戒

(3) 消防職員の自宅待機又は招集

(4) 消防団への警戒体制の要請

(5) 前各号に掲げるもののほか、災害等の予防及び警戒上必要な措置

(非常配備体制及び職員招集)

第29条 消防長又は署長は、非常配備体制の必要があると認めるときは、職員の招集を命じるものとする。

2 指揮隊長は、災害の規模等により、消防力の増強が必要であると認めたときは、別に定める職員の招集要領により、職員の招集を行うことができる。

3 前項の規定により、職員を招集した場合は、指令課を通じ消防長に報告しなければならない。

4 職員は、非常招集の発令があったときは、速やかに参集しなければならない。

(職員の自主参集)

第30条 大規模災害対応計画の配備基準で第4配備体制を要する災害を覚知した職員は、招集を待つことなく自発的にあらかじめ指定された場所へ参集するものとする。

第7章 消防通信

(業務及び出動指令)

第31条 指令課は、災害の覚知、警防活動に関する必要な指令、無線統制、情報収集及び連絡等の業務を行うものとする。

2 指令課は、災害を覚知したときは、別に定める災害出動計画に基づき出動を指令し、隊の効率的運用に努めるものとする。

3 前2項に定めるほか、消防通信について必要な業務は、久留米広域消防本部消防通信規程(平成21年久留米広域消防本部訓令甲第21号)の定めるところによる。

第8章 消防調査

(警防調査)

第32条 署長は、有効適切な警防活動を行うため、所属職員に次に掲げる事項を調査させ、その実態を把握させておかなければならない。

(1) 道路状況及び水利の状況

(2) 調査の必要がある消防対象物

(3) 前2号に掲げるもののほか、必要な事項

2 前項の調査は、定期及び随時行うものとし、その状況を必要に応じて台帳等に記載し整備しなければならない。

(火災調査)

第33条 火災原因の調査及び損害の調査は、火災覚知と同時に実施することとし、調査に関し必要な事項は、久留米広域消防本部火災調査規程(平成21年久留米広域消防本部訓令甲第14号)によるものとする。

第9章 警防訓練

(訓練)

第34条 消防長は、職員の技術向上及び志気の高揚を図るため、署長に警防訓練計画(以下「訓練計画」という。)を策定させるものとする。

2 署長は、策定した訓練計画に基づき、訓練を実施するものとする。

(訓練種別)

第35条 警防訓練の種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 火災活動訓練 各種火災防御技術の向上を図るために行う訓練をいう。

(2) 救助訓練 人命救助技術及び救助資器材の使用技術向上を図るために行う訓練をいう。

(3) 救急活動訓練 救急活動を迅速かつ適切に実施するために行う訓練をいう。

(4) 特殊災害訓練 特殊災害の警防活動技術向上を図るために行う訓練をいう。

(5) 通信訓練 警防活動における無線通話要領及び情報伝達要領の向上を図るために行う訓練をいう。

(訓練内容)

第36条 警防訓練の内容は、前条各号に掲げる訓練の種別ごとにそれぞれ次に掲げるとおりとする。

(1) 通常訓練 災害を想定した基本訓練、合同訓練及び総合訓練をいう。

(2) 図上訓練 警防計画等を活用した災害現場に対応するための図上想定訓練をいう。

(3) 特別訓練 管轄区域全体又は他の市町村等団体と合同で行う訓練をいう。

(訓練効果の確認)

第37条 消防長又は署長は、前条各号に掲げる訓練を実施したときは、必要に応じて訓練効果の確認を行い、警防活動の向上に反映させるものとする。

第10章 安全管理

(災害活動時の安全管理)

第38条 各級指揮者は、出動途上及び災害現場において隊員の活動状況を的確に把握し、安全確保のため必要な措置を講ずるものとする。

2 隊員は、安全管理の基本が自己にあることを認識するとともに、隊員相互が安全に配慮し、危害防止に努めるものとする。

(訓練時の安全管理)

第39条 訓練時の安全管理については、別に定めるところによる。

第11章 警防計画

(警防計画)

第40条 署長は、防御困難地域又は防御困難対象物において火災が発生した場合に人命の危険又は延焼拡大の危険が大きく、特別の防御活動が必要と認められるものについて、事前に警防計画を策定し、内容を職員に周知しなければならない。

2 前項の警防計画は、次に掲げる計画ごとに策定するものとする。

(1) 防御重要地域警防計画

(2) 特定対象物警防計画

(3) その他の警防計画

3 警防計画の策定基準及び要領は、別に定める。

第12章 応援要請等

(応援要請)

第41条 指揮隊長は、隣接消防本部の消防隊等の応援出動を受ける必要があると判断したときは、その旨を消防長に報告し、消防長が隣接消防本部の消防長に消防隊等の応援出動を要請するものとする。

2 前項に定めるもののほか、消防相互応援協定等を締結している場合は、当該協定に基づき要請するものとする。

(応援出動)

第42条 消防長は、隣接消防本部の消防長から消防隊等の応援出動の要請を受けたときは、直ちに要請消防本部に近い消防隊等の応援出動を命ずるものとする。

第13章 報告

(活動報告)

第43条 隊の指揮者は、災害出動したときは、出動区分ごとに別に定める報告書を署長に提出しなければならない。

(特命報告)

第44条 署長は、前条に定めるもののほか、必要な報告を求めることができる。

(訓練報告)

第45条 訓練を実施した責任者は、その結果を必要に応じ署長に報告しなければならない。

第14章 雑則

(災害活動の検討会)

第46条 隊の災害出動後、各隊の災害活動結果を検討し、隊の災害活動の技能向上を図り、併せて将来の施策の参考に供するため、検討会を開くものとする。

2 前項の検討会に関しては、別に定める。

(消防団との連携)

第47条 指揮隊長は、災害現場において円滑な防御活動等を行うため、常に消防団との連携を図らなければならない。

(地域防災計画等の連携)

第48条 この規程に定めるもののほか、地震、風水害その他の災害のうち、管轄区域の市町における地域防災計画等と連携を図るものとする。

(補則)

第49条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

この規程は、平成21年4月1日から施行する。

(令和3年3月30日消本訓令甲第5号)

この訓令は、令和3年4月1日から施行する。

別表(第6条関係)

消防部隊

警備隊

指揮隊

災害現場における総括指揮を行うため、指揮隊長及び隊員並びに指揮車をもって編成する。

消火隊

ポンプ隊

災害現場における警防活動に従事するため、隊長及び隊員並びに業務に必要な装備をした消防ポンプ自動車をもって編成する。

タンク隊

水利希薄な地域及び現場直近に部署し、災害現場における警防活動に従事するため、隊長及び隊員並びに水槽付消防自動車をもって編成する。

化学消火隊

災害現場における特殊な警防活動に従事するため、隊長及び隊員並びに化学消防自動車をもって編成する。

救助隊

災害現場における救助活動及び警防活動に従事するため、隊長及び隊員並びに救助器具を積載した救助工作車をもって編成する。

はしご隊

災害現場における救援活動及び警防活動に従事するため、隊長及び隊員並びにはしご付消防自動車をもって編成する。

特命隊

消防長が特に必要と認めるときに消防本部に設置する隊とし、任務及び車両の編成は、別に定める。

救急隊

災害現場による事故等の傷病者又は急病人を医療機関へ搬送するため、隊長及び隊員並びに救急自動車をもって編成する。

久留米広域消防本部警防規程

平成21年4月1日 消防本部訓令甲第18号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第8編 防/第3章
沿革情報
平成21年4月1日 消防本部訓令甲第18号
令和3年3月30日 消防本部訓令甲第5号